音楽とわたし

さいきんとても気に入っているCDがあります。これは人が人のために作ったCDで、つまり自己編集CDというやつです。わたしがなぜこのCDの音と生活していることが多いかと言うと、邪魔になる音が一切ない、でもゆるやかに精神を上げてくれるような、すばらしい選曲をすばらしい順番でしているものだからです。

その昔、わたしは音楽にどっぷり頭の先まで浸かった生活をしていました。仕事も音楽、私生活も音楽、音楽業界に身をおいて、そしてその暗部を見ることに耐えられず逃げ出した人間です。今でもそういう暗部を直視することはできませんし、ひとつのジャンルやプレイヤーに強く思い入れることもできません。だけどこういう作品に出会うと、音楽はやっぱり良いものなんだよなあと思うのです。