ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

全2巻です。少し前に1巻だけ読んだのですが、だいぶん落ち着かない気持ちになり、2巻を読めずにいました。ようやっと読了。自分の中の「感想」をまとめ向き合うのに時間がかかりました。
 
わたしの大学生時代というのは、肥大した自意識と現実に対する圧倒的な劣等感の間で、自分と他者との区別がうまくつかないまま混沌の中をさらにやみくもに迷走しているような、そういう、どうしようもないものでした。この作品はそういう自分を生々しく思い出させるもので、なんともキツいものがありました。主人公のやえちゃんはその混沌の象徴のように感じられますが、その周りの人々もまた然り、そしてその全てに当時の自分か重なり、なんつーか、色々刺さる。頭とか目とか神経とか、今の自分とかに。でも、たぶんあの時がなければ、あの混沌がなければ今の自分にはなれていなかったのではないかと、読み終わったときは安心したような、居心地が悪いような、これまた何とも言えない気持ちでした。
 
自分についての「何か」について深く考えたことのある方にはオススメします。そうでない方には多分何言ってるのかわかんないと思います。またしばらくしたら読み返してみたいと思えるような、良い作品でした。