行雲流水

全ては流れて、ひとところに留まるものは何ひとつなく、様々に姿を変えて消えたり生まれたりしている。わたしは今何かを掴んでいるかもしれないけれど、それは明日もわたしの手の中にあるか、それは誰にもわからない。
 
掴んでいるものをただ眺めて、無くなったものに執着しないのはいつものことだけど、持っているもののひとつひとつをわたしは忘れずに覚えておきたい。何かを持っている、持っていたということを忘れずに、明日も自分の手の中にあるかどうかわからないからこそ、大事にしたいと思うようになった。無駄なものなんて何ひとつない。